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真贋…本物・偽物の見分け方

●ショップの背景や説明文などから「本物」を探し出す、見分け方
ハーキマー以外の産出にも関わらず、「○○産ハーキマーダイヤモンド」と銘打って両剣の水晶を販売されているショップが目につきます。正直と言えば正直で、お客さまを裏切っているとは言いがたいのですが、紛らわしい表示には変わりはありませんね。
事実、「両剣水晶」=「ハーキマーダイヤモンド」と混同しているショップや問屋もかなりいるそうですが。プロなんですから、知らないはずはありません。モヤモヤは残りますが、あえて、わかってて表示していると思えます。

◆だけど、「ちゃんと説明や産地表示をしているショップやオークションに出品している方々」の中にも、(明らかに)中国・チベット産やアルゼンチン産の両剣水晶を、ハーキマーダイヤモンドとして故意に紹介している方がいらっしゃいます。
◆現在のYahoo!オークションでは、情けない事にハーキマーダイヤモンド」として出品された70〜80%以上が、ハーキマー以外の産地からの両剣水晶です。
わかりやすい事ですが、産地を明確に表記するのは当然です。それをさらに、『主な産地はアメリカ(ニューヨーク州)です』『ニューヨーク州ハーキマーでしか採れない非常に貴重な水晶です』と説明文の冒頭に書いて、あたかも画像の原物が本物のような曖昧な説明をされている方(ショップ)も実在致します。
(ハーキマー現地から取り寄せた・仕入れた、とは書いていないのが難点。)
これは「画像の原物がニューヨーク産の本物である」と言う説明ではなくて、『本物のハーキマーダイヤモンドはアメリカ(ニューヨーク州)産ですが、他の産地の両剣水晶もハーキマーと呼んでいる』事を裏返して、あたかも本物を偽っている現れだと実感しています。(言葉の曖昧さをねらった、わかっててやっている説明ですね。)
たぶん、わかっててやっている事だから、突っ込まれた時の「回避法」として「主な産地は〜」と、説明しているように思えます。
昨今、食品関係で取り沙汰されている「産地偽装」そのものでしょう。

少なくとも、ちゃんと「ニューヨーク産の本物です」「ニューヨークから取り寄せた本物です」「ニューヨーク直輸入」と表記している方(ショップ)から、お求め頂く事をお勧めします。


●もう1つ、経済的な面から、『安い!』と飛びつく前に知って欲しい情報としては。「希望落札価格」やその方のサイトショップの「評価価格」などからも、ある程度見分ける事が可能ではないでしょうか。
※そのサイトやショップページを訪れた時、ショップの名前や壁紙などの背景にも「中国」「アジア」を匂わせる・イメージする事柄やデザイン、そのものズバリの商品を扱っているサイトは、本物のハーキマーではないと警戒した方が無難でしょう。

◆ただ、この「希望落札価格」「評価価格」部分だけをとって真贋を見極めるのは、出品する側のお店の方針など考慮する部分も大きいので、とても難しい事です。目安として考えて下さい。
※ショップでは正規の「評価価格」、オークションでは楽しんでもらうためにわざと「出品価格」を押さえている方もいらっしゃいます。

<出品価格=最低落札価格>
オークション出品時の価格は、「希望落札価格」「評価価格」とは違います。 目につくよう、わざと安く出品しているケースがほとんどです。

<希望落札価格・評価価格=最終価格>
これは仕入れ値と売り値の差=荒利益になります。

現在仕入れ先からの標準価格として、グレードによって随分幅はありますが、単結晶の10mmのAA++グレードは、5〜10ドル前後で取り引きが行われています。11mmなら5〜11ドル。12mmなら6〜12ドル。…と、長径サイズのミリ数=ドルと言うのがこのクラス(8mm〜12,13mmほどの結晶)の標準です。(まとめて数個とかなら、もっと安くなる場合もあります)
※14,15mm以上の場合は、(ミリ数=ドル)の1.2倍以上。20mm以上になると(ミリ数=ドル)の1.5倍以上となり、更にグレードによって〜5倍程度まで変わってきます。
※5mm以下のものは、微細な1mmほどまで混在にまとめて、50カラット(10グラム)35〜100ドルくらいの幅になっているようです。
グレードの低い(BとかCの)結晶なら、20mmで1ドル2ドルくらいでも結構あります。

◆この価格は『現在の相場』です。1年中この価格で取り引きされているわけではありません。
それなりに安く思うかも知れませんが、輸送費用や経費・雑費さらに問屋(業者さん)が入ると 、通常現地での仕入れ値の3〜5倍が末端の価格のはずです。
※直販している所は、これよりも安い(1.5〜2倍程度の)販売が可能です。

つまり、安過ぎる『希望落札価格』『評価価格』は、ニューヨークの物価(ハーキマーの現地買い取り価格)に合わないのです。それはつまり、ハーキマー現地より物価の安い地域からの仕入れが、推測されます


●実物や画像から判断する、見分け方
今まではショップの背景や説明文などから「本物」を探し出すための、お店やオークションの事を書きましたが、ここではハーキマーダイヤモンド実物の特徴と他の両剣水晶との比較を、簡単に説明したいと思います。
※あくまでも、僕の経験からの「真贋」の簡単な見分け方です。
本物のハーキマー産でも、地域によって・産出深度によって、状態に変化が見られる事を念頭に置いて下さいね。

基本は、結晶内部の「透明度」「内包物」「色合い」、表面の状態として「形状」「波紋」「輝き」「条線」「母岩(の色や痕跡)」でしょうか。
※ベストと思われるグレードAA以上の、特徴と注意点を書いておきます。

◆「透明度」まさに硬質ガラスのような澄んだ結晶は、ハーキマー独特の透明度で、なおかつ最大の魅力と言っていいでしょう。
※ただ、内包物や形成の状態で、いつも最高透明度を保てる結晶ばかりではありません。
透明な部分が明らかに、黒みを帯びて「濁った」ものは、チベット産・中国産などアジア地域からの産出と疑えます。

◆「色合い」本物は、基本『無色透明』ですが、照明(太陽光)などによって結晶の縁に『水色』ぽい青みが出ます。
これが、いわゆる硬質な輝きの元ではないでしょうか。
そこに『ファントムの成長線』が、日影ではグレーに、日なたでは黄色味が入ってシャンパン色に、結晶を染めている場合があります。
いわゆる『スモーク』です。
『成長線』以外にも、母岩の鉄分(黄色〜オレンジ)が結晶内部に閉じ込められたり、表面に付着(コーティング)して、日影では濃い目の茶色、日なたでは黄金色に見えるものもあります。
結晶全体が「グレー」っぽいのは、アジア地域からの産出と疑えます。
結晶全体が「白」ぽいのは、メキシコ産など中南米地域からの産出と疑えます。

※ルースでは、極まれに他の要因(光の反射など)と相まってオレンジやピンクぽっく見えるものもあります。

◆「内包物」ハーキマーの内包物には、気泡・水・カーボン・母岩の砂岩・砂岩の鉄分・ファントム(幻影)の元になるヤニのようなもの・ドロマイト・カルサイトが主で、極々稀にオイルがあるくらいです。(1度だけ手にしました)
※アフガニスタン産のオイル入りハーキマー(と呼ばれている両剣水晶)とは、違う別物です。

カーボン(炭の粒子の集まったもの)は、(国内では)タールとも言われていますが。現地では基本的にちゃんと『anthraxolite』(和名エントラキソライト・直訳すると、炭疽鉱物)、もしくは『カーボン』と呼ばれています。
『タール』は、母岩に付着したカーボンがタール状に粘り気をおびている産出例(ドリュや母岩付き結晶などの一部)があるので、国内でそう言われる由縁でしょうか。
現地では、あまり聞きません。
※このカーボンが内包物を吸着するからこそ、最高透明度が産まれるのだとも考えられています。

◆「形状」両剣水晶の形成パターンは、数多くありますが、ハーキマーの特徴としては『柱面』が短かめのコロンとした結晶が多いように思います。
たまに柱面の長い『長形』の結晶もありますが、下記ほど柱面がそろってはいません。
わかりやすい例では、(垂直に上から見て)綺麗に整った正6角柱状の(鉛筆みたいな)結晶は、本物のハーキマーには多くはありません。そのほとんどが、アジア地域からの産出と疑えます。
※ハーキマーにもまったくないわけではありませんが、あったとしても、ほとんど10mm以下程度の小さな結晶です。

◆「波紋」水晶は鉱物ですが、その成長を結晶の内側の内包物と状態、表面の状態「波紋」で確認出来ます。
そして「波紋」は、産地によって微妙に変化があります。
つまり形(外見)は似ていようとも、産地独特の個性的な形成から、産地が割り出される事になります。
(指紋や光彩・静脈・DNAなど人間と似たような、データによる解析です。)

簡易的な見分け方として、必要なものは、10倍程度のルーペ。
光の反射を結晶のファセット面に反射させると、年輪のような魚のうろこのような、刃物のダマスカス模様のような「波紋」が浮かび上がります。
ハーキマーでは、山型や三角になった小さな「面」が、重なっているという特徴があります。
また、部分的に丸っこい三角を重ねたようなレコードのような「紋」もみられます。しかも、それらは自在な形状になっています。
どこの産地だったか、単一的に同じ紋が整った並び方を、ハーキマーはしていません。
※ハーキマーの面の「平滑度」が高過ぎる場合、これらの「波紋」すら見えない結晶もあります。
まるで天然にポリッシュされたように、ここにも、本物ハーキマーの「輝き」の秘密があります。

◆「輝き」水晶は基本的に透明ですが、だからと言って、どれも素晴らしい「輝き」を持っているわけではありません。
結晶内部の「透明度」+結晶面の「平滑度」、それに光が反射して「輝き」となるようです。
面の「平滑度」は、ツルンと磨かれたように綺麗で、ここにハーキマーの特徴が凝縮しています。
わかりやすい話し、比べてみるとハッキリします。

◆「条線」水晶の柱面に横に走る複数の線状の模様の事です。
一般的に、ハーキマーでは「条線」が少ない・見当たらないと言われています。
確かに他の産地の結晶と見比べても、かなり少なく薄いです。
ただしかし、すべてのハーキマーに当てはまる事ではないようです。
数多く見てきた経験から、ハーキマーでも大粒の結晶になるほど「条線」は入っているようですし、複雑な柄のように「紋」になっているものが多いです。
※小さな結晶ほど、柱面の「条線」や「紋」は、目立ちません。

◆「母岩(の色や痕跡)」ハーキマーの母岩は、ドロマイト(苫灰石)と言い切る方もいらっしゃいますが。僕は経験上、本当の母岩はハーキマー独特の固い『砂岩』だと言いたい。
ドロマイトは、その母岩の一部に結晶として現れていたり、砂岩の一部として成分が取り込まれているだけです。
色合いは、基本的にはグレー、薄茶、それらが合わさって濃く・薄く、時にはカーボンとも合わさっているようです。
そして、ハーキマーならではの特徴的として、どの成分かはわかりませんが、鉱物質のほんのり甘い香りがします。
母岩付きの結晶やドリュなどには、この匂いがしています。
洗われていない結晶が入った袋からも、同様の香りがしますが、洗浄・浄化された結晶では、この香りが消えています。


※頭に入れておいて欲しいのは、本物のハーキマーでもあの透明度と輝きを持った結晶は、ほんの極わずかです。
産出するほとんど95%以上はAグレードもありません。B,C,Dグレードの、形もいびつでクラックや内包物や母岩の痕跡だらけで、とても商用には適さない石ばかりなのです。
しかし、それらにも「楽しむ」事が出来る『要件』が、あったりします。

皆さん、本物のハーキマーダイヤモンドを知って、楽しみましょう。


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