ファントム(幻影水晶)

肉眼で確認出来る(透けて見える)、結晶の成長線の事。
水晶の成長の過程で一時的に水晶の成長が止まり、再び成長を始めたために水晶の内部に年輪の様に斜めや山や三角の形が像となったものです。

ハーキマーのファントムは結晶の『種』のような物で、普通の水晶のファントム程はっきりとした山型ではありません。
ハーキマーの場合、『俵型』がベストな形ですが、、、 結晶が成長した後に残る幻影が、スモーク色をした線状(帯状)に残る場合があります。
普通の水晶のファントムは山形やピラミッドの形をしていますが、ハーキマーの場合は、三角形(本当は、長い辺と短い辺の繰り返しの6角形で、一見△に見える)の輪郭の重なりで、横から見ると縞模様に見えます。
そして、ハーキマーでも母岩にくっついた(あるいは土台となる物がある)シングルターミネートの結晶(クラスター)などでは、最終的にそのファントムの先端の部分が山形になります。
しかし、両剣のあるダブルターミネートの結晶で、先端の山形まで残っている物は 見た事がありません。
どうやら、成長とともに先端の山形は失われ△柱の輪郭のみ残るようです。

ガーデン(庭園水晶)

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水晶の中に入り込んだインクルージョン(緑泥石や電気石など石英以外の鉱物や母岩)が、庭園のように「景色」を作っている水晶。

中に入る鉱物によって、海の中や森に見えたり、空の雲だったり、宇宙のようだったり様々な景色を映し出します。


エレスチャル(骸晶)
※別名、スケルタル水晶 窓水晶

永い成長期間を経て形成される為、内部に幾層にも重なる結晶と空洞(気泡)で出来た先端を持つ水晶です。
その浄化能力から、数あるヒーリングストーンの中でパーフェクトな最高の石とされ、「天使からの贈り物」と呼ばれています。
カテドラルのような、特有の多面体の不定形構造を伴う場合が多い。
エレスチャルの気包がそのまま開口している
場合は、「窓水晶」とも呼ばれていますが、これはエレスチャルの幼生・形成途中です。

※「スケルタル」は「骸骨」と訳されます。
そのスケルタルがエレスチャルの事だという理由がわからずに、長い間、ただ単に「透けている」結晶の誤訳かと思っていました。
しかしながら、ようやく理由がわかりました。
つまり、エレスチャルの気泡が結晶奥深くまで連なっているのが、髑髏の二つの眼窩のように見えるところから、「骸骨水晶」と呼ばれているようです。『骸晶』は、そこからきました。あ〜、スッキリした。


カテドラル水晶

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幾つもの単結晶が幾重にも折り重なり、複雑な形を作りながら1つの先端を作り上げる、複雑な結晶構造を持つ単結晶です。

「カテドラル」は、教会などの「大聖堂」という意味。

スモーキー(煙水晶)

※コーティング結晶

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水晶は本来、無色透明な結晶ですが、母岩の結晶成分の状態により黄色〜薄茶色〜濃い茶色の結晶となる事があります。
ハーキマーは、結晶内部に出来るスモークヴェール(ファントムの成長線)の色の度合いによって、結晶全体が染められたようなはちみつ色の色合いになる場合があります。
※「シャンペンカラー」「ゴールドカラー」と呼ばれるレア物は、人気があります。

これ以外の理由によっても、
薄い黄色〜薄茶色の色合いを持った結晶があります。
それは、結晶表面に母岩に含まれる鉄分が、蒸着のようにコーティングされたものです。
結晶全体がコーティングされる事は稀で、表面の一部にこの「ヤニ」のような皮膜がかかっています。(洗剤を付けて歯ブラシで洗っても、落ちません。)
それでも結晶全体を、はちみつ色〜ゴールドに染める場合もあります。
※時に光の反射で、「虹色」に見える…綺麗な要件もあります。…例えて言うなら「水たまりの表面に出来たガソリンの虹」のようです。


本来は天然の状態で色が付いているわけですが、人工的に過熱法や染色で加工された『偽物』もあるそうです。
これの代表的な例としては、金の蒸着による(マリンブルーのような)「青い」染色も有名です。パワーストーンとして『アクアオーラ』という名称で呼ばれています。
他にもプラチナを蒸着すると、ピンクっぽい柔らかな虹のコーティングとなるようです。

※『黄水晶』(シトリン)は、貴重な天然の色付きの結晶です。


レインボー(虹水晶)

結晶内部のクラック・面クラックに外からの光が反射して、プリズムのように虹が出来ます。
「面クラック」は、『カラーヴェール』とも呼ばれています。(左の画像)

また、ハーキマーは透明度と平滑度が優れているために「プリズム効果 」で、結晶の内側の面に虹を発生させる事があります。
これは、タビュラーの結晶に特に多く見られます。


パワーストーンでは、『生まれ変わりを現し、愛を象徴しているといわれています。
集中力及びエネルギー(神秘的な能力)を高め、宇宙との調和を図るシンボル。現在の自分の中にある問題を明確にする。あらゆるものを浄化し、癒してくれる。組み合わせた石のパワーを増幅する。』…そうです。


水入り水晶

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結晶内の気泡に閉じ込められた「水のポケット」や「水のチューブ」の中を、気泡やインクルージョン(内包物)が動くもの。

まるで『生きている』かのような、可愛らしさです。
英語表記は、「Enhydro」。通称、「ハイドロ」です。

※動かない気泡・インクルージョンは、「水入り」とは言えません。

群晶(クラスター)

複数の結晶が、横につながった状態の物。

2つつながった双晶は、「ダブル(W)」や「ツインズ」と呼ばれています。3つだと、「トリプル」です。

クラスター面に、放射状の綺麗なレインボーが出る事があります。

クラスターの上や側に他の石を置くと、その石をクリアーに浄化(充電)してくれる作用があります。ヒーリングと浄化を促す、強力な波動を発する石…として使われます。

セプター(松茸水晶)

水晶は、横につながると『クラスター』ですが、縦に連なると『セプター』(王様の笏[杖・つえ]という意味)と呼ばれています。

「王笏水晶」「松茸水晶」は和名です。

ハーキマーでは、採取される数も少なく母岩に生えてる事から「シングルターミネート」の場合がほとんどです。両剣の整った物は、稀です。
君臨するという意味の水晶で、指導力をサポートし新しい展開を意味する…と言われています。

貫入(ペネトレイター)
※別名、ブリッジ (Bridge)

結晶の中に、他のクリスタルが刺さっているような形に貫入している物。

ハーキマーでは、結晶内部の貫入面に「放射状」のクラスターレインボーが出る場合があります。
※とても綺麗なレア要件として、人気があります。

クラスター部分に母岩の鉄分が入りこんで、スモーキー同様…黄色からオレンジ色や金色に結晶を染めて見える場合もあります。

大胆な行動力を呼び、心の問題の核心に迫る…と言われています。

タビュラー、タビー

平らな柱形の「板状結晶」の事。

先端がマイナスの形をしているのが特徴。
時に自在な形をした、結晶となることがあります。


パワーストーンとしては、2つの地点の橋渡しとして使われる…そうです。

セルフヒールド

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成長過程で欠損した部分を自己修復した結晶。

『自らを癒す』という事から、自分自身あるいは他の人を癒すクリスタルヒーリングにも使用されます。


癒したい所あるいは手に持ってイメージすることによってエネルギーが流れ込む…そうです。

ドリュ・ドリューズィ







ハーキマーダイヤモンドは岩のくぼみ・すき間に形成されますが、その時結晶の周りに出来る微小の結晶の群晶が『ドリュ』です。

大抵は母岩の表面の石英質に直接生えるように形成され、シングルターミネイト(片錐)の針の山状態です。
砂糖のザラメのような白っぽい薄茶色の「ホワイト・ドリュ」と、より小さい粒の黒いビロードのような「ブラック・ドリュ」とがあります。  

語源は、ヨーロッパのアルプス。フランス側にある「シャモニー」の『DRUS』針峰群から来ています。撥音は、固有名詞なので「ドリュ」です。
(フランス語なのでSは撥音せず。)
DRUSYだと「ドリューズィ」になります。(これは英語。)「ドゥルージー」と書かれている場合もあります。

※和名は、『針峰群晶』…とでも呼びましょうか。


●ジオード(晶洞石)の内部と形成は似ていますが、ジオードが閉ざされた球状の鉱物の内部だけで成長するのに対して、 ドリュは岩のすき間・くぼみなどに形成されているので、開かれた不定形をしています。


◆形状としては、南アメリカのマガリスブルグで産出する…カクタス(サボテン)水晶(スピリットクオーツとも呼ばれる)の方が近いでしょう。
これは、乳白色っぽいホワイトのアメシスト水晶で、ほんのり紫色に染まっています。 
先端の大きめの結晶の周り・根元に小さな結晶が集まって、独特の世界を持っています。 
先端には、乳白色のファントム(幻影)がうっすら。可愛い水晶です。
形状の母岩は「メノウ」で、結晶を光に透かすと浮かび上がってきます。 
詳しくは『マガリースバーグ』『カクタスクオーツ』でネット検索してみて下さい。


ドロマイト(苦灰石)

ハーキマーの母岩として有名ですが、本当の母岩はドロマイト成分を含む硬い『砂岩』のような堆積岩です。
ドロマイトは、その母岩の一部です。これら全体を指して「ドロストーン(苦灰岩)」と言う場合もあります。

また、 ハ−キマ−内部に、結晶として内包される場合もあります。
その形成は、サンゴなどが海底に堆積して石灰岩になった後、そのカルシウムの一部が海水中のマグネシウムと置き換わって作られたものです。
その比率は、カルシウム2:マグネシウム1で安定しています。
乾いた状態ではかなり堅いのですが、水分を含むともろくなりやすい。
化学式は『CaMg(CO3)2』。
※ハーキマーのドロマイトは(現地の学者の調査では)、サンゴではなく『ストロマトライト』の化石が置換したものと言われています。

パワーストーン的には、『弱気を払い、 積極的で大胆な行動ができる。』そうです。

ネガティブクリスタル (負晶)

結晶の内部に見られる『結晶の形をした気泡』の事。

特にファセット面・柱面など18面ちゃんと揃っている場合にのみ、ネガティブクリスタル・負晶と呼ばれています。
ごくごく小さい物なので、ルーペで観察しないと気付かない場合もあります。
※さらに、気泡の中には「水」が入っている場合もあります。

ネガティブクリスタルと言っても、持ち主がネガティブになると言う意味ではありません。
鉱物の専門用語で、意味合いは…結晶の内側で(気泡が)『裏返し』になった…という事ですね。

パワーストーンの意味もあるかとは思いますが、こちらは調べていません。
可愛らしい気泡ですから、チャームポイントにして可愛がって下さい。


インクルードクリスタル (結晶内包)





結晶の内部に『結晶』を内包している結晶の事。

結晶の一部が表面に出ている「貫入」とは違って、完全に結晶内部に閉じ込められているものです。

サイズも色々。
0.3mmほどのものから、時には10mmもある大きな結晶内包まであったりします。
完全に透明な結晶の場合、見つけるのは難しく、ルーペで見ても見逃す場合があります。
光の当る角度を変えて、その反射などでやっと見つかるほど。
あらゆるレアな要素の中でも、最も見つけにくいレア要素と言われています。

また、結晶内包と間違われやすいものに、結晶の形をした気泡「ネガティブクリスタル・負晶」があります。
通常は見通せる色合いで比較出来るのですが、気泡の中に水が入っている場合には、慣れた方でないと混同してしまうかも知れません。(中で気泡やカーボンが動く「水入り」の場合はわかりやすいですね)


※画像の結晶内包は、わかりやすいものを選びました。

通常の水晶の「ファントム・幻影」とも似ていますが…ハーキマーの場合、母岩に含まれる『anthraxolite』成分が材料となって、「結晶の種」や「ファントム(幻影)」を形成していますので、ここで紹介する結晶内包とは別物です。


蛍光物質  (ハーキマーの場合)

ハーキマーの多くは、蛍光物質を含んでいて『青白く』蛍光します。
特にカーボンや水入り・油入り・気泡・ファントム・ヴェールなどのインクルージョンが多い結晶に、蛍光物質が多く含まれています。
(…といっても、『短波紫外線』を当てなくては蛍光が確認出来ません。)
透明な高グレード(AA以上)のハーキマーでは、
あまり反応しないようです。
なお、この蛍光物質はルビーやエメラルドなどと同様で、人体に影響はありませんので、御心配は入りません。

※蛍光物質:現地の学者の研究では、「古代の藻類の元祖(地球上の動植物の元祖)『ストロマトライト』の化石に、蛍光する物質が含まれている」…という事です。

※紫外線は、長波紫外線(UV-A)波長320〜400nm・中波紫外線(UV-B)波長280〜320nm・短波紫外線(UV-C)波長280nm以下と分けられています。
普通の紫外線ライト・ブラックライトでは、長波(UV-A)を照射。
日焼け用の紫外線ライトは、中波(UV-B)を照射しています。
…ですので、通常の紫外線ライトでは、この蛍光は確認出来ません。
ハーキマーの蛍光は、『短波紫外線』にのみに反応します。
※観察用の紫外線装置として、幾つかのメーカーが「ミネラル用の紫外線ランプ」「ミネラライト」などを販売しておりますが、価格は15,000〜40,000円ほどしています。
※『短波紫外線』は、「殺菌」などに使われる、紫外線の中でも最も有害な光です。人体に危害がありますので、長時間の照射や直接光での観察は避けて下さい。

母岩付き結晶



 

ハーキマーダイヤモンドは母岩(砂岩の堆積岩)のくぼみ・すき間に形成されます

小さな小さなドリュをベッドにして、少しずつ少しずつ成長している様子がうかがえます。
ハーキマーの形成がよく理解出来る、標本です。


コンパクトなサイズ(母岩)で、形の良い透明な結晶が付いている…コレクションものは探すのも難しいです。


※ルーペで観察すると楽しいですよ。

 



カーボン(anthraxolite)

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結晶の内部や表面に見られる『黒い内包物』の事。

カーボンの正体は、現地では『anthraxolite』(和名エントラキソライト)と呼ばれていて、『ストロマトライト』(原生藻類)や植物プランクトンの炭化したものと考えられています。
実際は、サラサラとした粉状の炭です。 …ですが母岩の表面に付着したものは、コールタールのような粘度がある場合があります。
…なので一部の方から「タール」と間違われる事もあるようですが、油分は検出されません。
※炭の効果として、不純物を吸着する性質があります。 ハーキマーの結晶内部が(他の産地の両剣水晶と比べても)素晴らしくクリアなのは、このanthraxoliteのおかげだとも言われています。

『anthraxolite』の英語の撥音は、最初のaにアクセント。最初と真ん中のaが「あいまい母音・アとエの中間」で、thは「舌を挟む」ので…アンソラックソライトが近いのではないでしょうか。直訳すると、炭疽鉱物。(炭疽とは「炭のかさぶた」の意味で、学名のanthraxはギリシャ語で「炭」を意味します。)

@生物兵器として有名な「炭疽菌」とは、関係がありません。(念のため)



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